『朝日新聞』 2006年(平成18年)8月21日

アフガンの子らの「幽霊展」

色鉛筆で空爆・地雷・兵士・獣
軽井沢絵本の森美術館などで展示


アフガニスタンの首都カブールの国内難民キャンプで暮らす子どもたちが描いた「幽霊」の絵を集めた「カブールの幽霊」展が、軽井沢町の軽井沢絵本の森美術館などで開かれている。普段は色鉛筆を持たない子どもたちが過酷な体験そのものや想像力を膨らませて描いたものだ。31日まで。
アフガニスタンは内戦、爆撃などが続き、今も多くの難民が不自由な生活を強いられている。
難民キャンプなどの子どもに物語の上映活動などをする東京のNPO法人「ライク・ウォーター・プレス」は、カブールの子どもが最も怖い、嫌だと思うものの1位が幽霊だったことに着目。05年にカブールを初訪問した際、子どもたちに幽霊の絵を描いてもらい、500点以上が集まった。
空爆で家が倒壊された様子、地雷の上を歩く母子、手りゅう弾と銃を持つ兵士……。見たままを描いた作品が目を引く。毛むくじゃらの獣のような幽霊や、角のはえた幽霊が笑っているようなユニークな作品もある。
同NPOの加藤不二さんは「戦争の中でしか暮らしたことのない子どもたちは、絵そのものを楽しんでいる。その作品を通じ、世界ではまだ戦争が続いていたり、その後遺症に苦しんでいる人たちが大勢いることを思い起こしてほしい」という。
軽井沢絵本の森美術館の庭園には、絵をプリントしたTシャツ約50点が人形に着せられ、涼風に揺られている。また、旧軽井沢地区のショッピングモール「チャーチストリート軽井沢」2階にはTシャツ展示のほか、作品集やTシャツなどを販売している。収益は活動資金にあてられる。