あらかじめ夢見ることを奪われた子どもたちの祈り

アフガニスタンの子どもたちの描いた<カブールの幽霊>は、わたしたちが抱いている<幽霊>とはまったく異なる世界観に裏打ちされています。
その幽霊たちのどれもが空想や夢物語だけで作り出されたものではなく、すべて、子どもたちの真摯な眼差しによって捉えられた実像なのです。
たとえば、まるで「遊び友だち」のような幽霊たちや「いじめっ子」のような幽霊たち。
子どもを誘拐したり傷つける悪霊や子どもの中に残る戦争と爆撃の記憶。
さらに、地雷という得体の知れないものへの恐怖を「魑魅魍魎」として描いてみせる、その彼らの感性とリアリティー……。
[カブールの幽霊展]を通してそれらの幽霊たちと向き合うなか、わたしたちは、それらの幽霊たちが、単にアフガニスタンという国の問題にとどまらない、現代が陥っている閉塞状況=不自由さに対するさまざまな問いかけにほかならないことに気づかされました。
現代という合理社会のうちにいながら、わたしたちは、もしかしたら、いつのまにか幽霊や悪霊に取り囲まれてしまっているのではないか……。
そして、そんな幽霊など存在しないかのように、あるいは気づかないように仕向けられているのではないか……。
<カブールの幽霊>の圧倒的なリアリティーは、わたしたちが見逃しているわたしたち自身の幽霊や悪霊を見つけだす眼差しを忘れないように、と教えているようにも思えるのです。


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