ようこそ、Like Water Pressのウェブサイトへ。

わたしたち Like Water Press は、<ファンタジー劇場キャラバン/Mobile Image Theater>という活動を行っている、特定非営利活動(NPO)法人です。
<ファンタジー劇場キャラバン>は、戦争や災害などの理由から[夢見る]環境を奪われ、[目を輝かせる]自由や権利から疎外されている世界の子どもたちのために、[夢見るためのタネ]となる物語(ファンタジー)を創作し、映写機やスクリーンをたずさえて、巡演するプロジェクトです。
それらの[夢見るためのタネ]となる物語が、子どもたちの好奇心の芽に注ぐ一滴の水ともなり、彼らが自らの未来を描くきっかけとなれば、という願いのもとに、2003年立ち上げられました。
そして、これまでわたしたちは、主に、アフガニスタン→やパキスタンの国境沿いの荒野につくられた難民キャンプや村など、50回以上の上映を通して、6,000人以上の子どもたちに、靴や文房具、あるいは絵本などの支援や、創作ファンタジーを上映してまいりました。それらの活動は、いくつかのメディアを通じて、すでに紹介されている通りです。



すべてのはじまりは、2001年の9.11の出来事でした。その出来事を契機に、わたしたちはアフガン難民の子どもたちに出会うことになりました。
以前、わたしは、書籍&映像を業務とする、ある編集プロダクションに勤めていました。
約30年にわたってつづいたそのプロダクションは2000年に幕を閉じましたが、終盤の3年間は、主に世界の遺跡や秘境を紹介するビデオ制作の仕事に携わっておりました。その取材では、いわゆる世界の僻地や辺境へと赴きました(遺跡が残されている場所というものは、どういうわけか、辺鄙だったり、情勢的に問題のある場所が多いのです)。
たとえば、カンボジアやベトナム、ペルーの奥地やアフリカなどです。
そして、それらの取材先では、必ずといってよいほど、飢えた眼差しの子どもたちに出会いました。
ところが、わたしたちは、その子どもたちを見なかったことにしてしまったのでした。遺跡や風景を撮影する「仕事」をしていたわたしたちにとって、その子どもたちは邪魔な存在でしかなかったからです。つまり、その子どもたちの飢えた眼差しや悲惨さを見ないことに疑問を感じないようにしていたのです。
とはいえ、「その子どもたちを見ずに、わたしたちは一体なにをしているのだろう?」という漠然とした疑問は、澱のように心の中に沈殿していたのです。そして、ついにはそれが拭えなくほど重いものになってきたのでした。
そして、わたしたちが本当に見るべきもの、伝えるべきものは、その子どもたちの存在そのものではないか、と思えてきたのです。
つまり<ファンタジー劇場キャラバン>へと向かう道は、「仕事」という名のもとに子どもたちの眼差しを無視しつづけてしまったことの疑問からはじまったのです。



そして、9.11が勃発して、その子どもたちの<真摯な眼差し>と再び向き合うことになったのでした。
もはやわたしたちは、こちらをまっすぐ見つめてくるその眼差しを、無視することはできなかったのです。
その眼差しは、飢えています。しかし、当の子どもたち自身でさえ、何に飢えているのかわからなくて、そんなもどかしさを見てあますかのように、まっすぐわたしたちを凝視してくる、そんな強い強い眼差しなのです。
………この子どもたちは、いったい何を求めているのだろう?
………この眼差しは、いったい何を見たいのだろう?
わたしたちのプロジェクトは、この自問からはじまりました。
なによりも切実に思わされたことは、この世界には、子どもには無条件に与えられるはずの、<想像力>を養う機会さえあらかじめ奪われている子どもたちがいる、ということなのです。
さらに試行錯誤の末、かつての会社の名前を引継いで[Like Water Press]という国際NGOを立ち上げ、その決心を形にすることにしました。
こうして<ファンタジー劇場キャラバン>が誕生したのです。



1979年の旧ソ連の侵攻以来、25年以上にもわたってつづけられた戦争のために、多くのアフガンの人々が、いまもなお難民キャンプでの生活を余儀なくされています。
とはいえ、当初はまだ何からはじめてよいのかわからないまま、しばらくのあいだは、難民キャンプへ古着や文房具を送るなどの物資救援の真似事をしていたのです。
しかし、<ファンタジー劇場キャラバン>という活動を通して、わたしたち[Like Water Press]は、ただ物資を運ぶ「配達人」ではなく、子どもたちが夢を見るために必要な素材や記憶を届ける「創り手」でありたいと思っています。
かつて、誰かがこういいました。
………子供たちのために行動を起こすことで、
        なんであれ「失敗だった」と決していってはいけない。
        それは未来を断念する(殺す)ことだ。

この言葉はそのまま、わたしたちプロジェクトの理念となっています。
わたしたちは、不条理にさらされている子どもたちに、せめて<夢を育む>一滴の水を運んであげられたら……、と願わずにはいられません。この願いを「あれは失敗だった」という言葉で終わらせないためにも、このプロジェクトは、ひたすら<子どもたちが夢見るために何をすべきか>を原点に、信条・政治理念・信仰とは無関係でありつづけます。



この挨拶をお読みいただいているみなさんにも、子どもとのさまざまな係わりを持っていると思います。
いま子どもを育てているあなた、かつて育てていたあなた、子どもを身近に感じるあなた、感じられないあなた、子どもを信じているあなた、信じていないあなた……。
どのような信念の持ち主であれ、かつては等しく子どもであったはずのあなた方の心に、わたしたちの願いが、どうか届きますように。
子どもに夢をみる権利があるのと等しく、あなた方にも夢をみる権利があることを、どうか忘れないでいてください。
御拝読、ありがとうございました。

特定非営利活動法人[Like-Water Press]
代表 陳 富子



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