2007年12月29日(土曜日)付


アフガンの子「幽霊」を描く
来月、谷中・千駄木などで展示会


目をぎょろっとさせて、鋭い歯をむき出す怪物。体が牛で顔は不適な笑みを浮かべる男……内線が続くアフガニスタンの子どもたちが「幽霊」をテーマに描いた絵約350点が来年1月9日から、台東、荒川、文京の3区にまたがる谷根千地区のギャラリーなど7カ所で展示される。主催者側は「荒廃しているアフガンの子どもたちに幽霊を描かせている、その現状を考えるきっかけになれば」と話している。(柄崎太郎)
続く内戦 心の写し絵か
「カブールの幽霊 in 下町」と題した展示会は、文化活動を通じてアフガンの子どもたちを支援しているNPO法人「ライク・ウォーター・プレス」(事務局・豊島区)が主催するもの。
03年設立の同団体は、子どもたちに「夢を見てもらう材料を提供するために」、独自に作ったアニメと自然を写した実写映像を織り交ぜたファンタジー映像をアフガンやパキスタンの難民キャンプなどで上映してきた。
展示される絵は、05年、カブールなどアフガン国内の避難民キャンプでの上映会で、子どもたちに「幽霊」や「一番怖いと感じたもの」について描いてもらったものだ。
「幽霊」を描いてもらうきっかけになったのは、タリバン政権崩壊後のアフガンの子どもたちの心理について、02年にユニセフなどが行なった調査報告だ。「最も怖い」「最も嫌」と思うことを聞いたところ、「爆撃や爆発音」、「銃を持った男」を抜いて「幽霊」が1位だった。
05年の上映会に集まった子どもたちに「幽霊を見たことはあるか」と尋ねると、「見た」と答える子が各地にいた。代表の陳富子さんは「現に戦争が回りで起こっているのになぜ幽霊か知りたい」と考え、カラーペンを渡し、絵に描いてもらった。
描かれた「幽霊」は様々だ。つめの長い、毛むくじゃらな、怖い怪物もあれば、明るい色とユーモラスな表情の妖精の絵もあった。
「戦火を生き抜き、孤独の中で、子どもたちの、友達がほしい、という切実な思いがあるのかもしれない。荒廃しているアフガンの現状が幽霊を見させている」と陳さんは分析。「子どもたちの絵から、アフガンの現状を少しでも考えてもらえたら」と話している。
展示は「千駄木空間」(文京区)や「喫茶 谷中ボッサ」(台東区)などで1月9日ー20日。期間は会場によって異なる。12日はオープニングパーティーを開く。詳細は同団体のホームページ http://www.likewater-press.org もしくは事務局(03.5394.8138)へ。



2008年1月4日(金曜日)付


アフガン難民の子どもたち「幽霊」に恐怖描く
兵士、誘拐犯、いじめっ子……


アフガニスタンの難民キャンプで暮らす子どもたちが描いた幽霊の絵を紹介する「カブールの幽霊 in 下町(谷根千)リレー展」が10日、荒川、文京、台東区にまたがる谷中・根津・千駄木のギャラリーなど7カ所で始まる。銃を持つ兵士の幽霊や子どもを誘拐して傷つける幽霊、遊び友達、いじめっ子の幽霊など計約400点を各会場で展示する。【佐藤賢二郎】
同国内で自然がテーマのファンタジー映像を上映するNPO(非営利組織)「ライク・ウォーター・プレス」(豊島区)が「下町を散策しながら、アフガニスタンの子どもたちの自由な感性に触れてほしい」と企画した。
アフガニスタンは79年に旧ソ連が侵攻。内戦でパキスタン、イランに約600万人が難民として流出し、00年の大干ばつで1000万人以上が被災した。翌年、アメリカ同時多発テロ後の米軍空爆で再び多くの難民、避難民が生まれ、タリバン政権崩壊後も帰還や復興は進んでいない。
同NPOは、ユニセフ(国連児童基金)が02年にカブールで実施した子どもの「最も怖い、嫌なこと」調査で、「爆撃と爆発の音」や「殺されること」を上回り、「幽霊」が1位だったことに着目。05年、カブールで子どもたちに幽霊を描いてもらい、不条理な恐れや不安の象徴であることに気づいた。翌年から日本各地で絵画展を開いている。
陳富子代表(41)は「絵からは笑い声や悲鳴、鳴き声が聞こえる。言葉にならない子どもたちの心の叫びを少しでも多くの日本人に届けたい」と話す。
20日まで。正午ー午後7時。入場無料。問い合わせは、同NPO(03.5394.8138、ホームページは http://www.likewater-press.org)。



2008年1月11日(金曜日)付


アフガンの子どもが見た「幽霊」
戦争で失った友、巨大な鳥……イメージ様々


アフガニスタンの子供たちが描いた「幽霊」の絵約350点を展示する「カブールの幽霊 in 下町」が10日、始まった。会場は台東区谷中や文京区根津のギャラリーなど7か所。子供たちが「怖い」と恐れる幽霊の姿がいろいろ。ドロローンとした日本のお化けと違うところは?……それは会場でのお楽しみに。 (竹井陽平)
NPO法人「Like Water Press」(本部・豊島区)が企画した。ユニセフなどが首都カブールで行った聞き取り調査で、子供たちが「最も怖いもの」「最も嫌だと思うこと」の両方で、幽霊をトップに挙げたことに着目。「死ぬこと」「暗闇」を上回ったのはどういうことかと疑問に思ったのがきっかけだった。
同NPOはアフガニスタンで国内でファンタジー映画を上映する活動を続けており、05年のカブールでの上映の後、紙とサインペンを渡したところ、子供たちは夢中になって描き始めた。ペンを使うこと自体、ほとんどの子供たちにとって初めての経験だったという。
子供たちの「幽霊」は、ナイフを持った毛むくじゃらの化け物や、空から襲いかかる巨大な鳥など恐怖を表現した物がほとんど。しかし、戦争で死んだけれど夢の中で再会した友だち、「遊ぼう」と誘ってくる手のひらサイズの生き物など、戦禍の心の傷やあどけなさがにじみ出る作品もある。
同NPOは翌06年から、京都や長野・軽井沢などで展示会を開いてきた。代表の陳富子さん(41)は「悲惨な状況の中にいても、それでもなおあふれ出してくる子供たちの豊かな感性と表現力を感じてほしい。下町を散策するついでに、気軽に立ち寄ってください」と話している。
12日は午後6時30分から、会場の一つ、ギャラリー「Higure17-15cas」(荒川区西日暮里3)でオープニングパーティーが開かれる。NPOメンバーと懇談することができ、飛び込みも参加も可能。問い合わせは、同NPO(03.5394.8138)。ホームページは(http://www.likewater-press.org)。
同店と、Classico (台東区谷中2)ALeprotto (台東区谷中2)A千駄木空間 (文京区千駄木2)Agallery okarina (文京区根津2)A青空用品店 (文京区根津2)が20日まで展示。喫茶 谷中ボッサ (台東区谷中6)は14日まで。