●朝日新聞/2007年2月2日(金曜日)






中京と左京で絵画展

アフガンの子/瞳に映る幽霊

「たくましさから力もらって」



兵士の幽霊、黒こげになった子ども、地雷の埋まった地面を歩く人、銃で撃たれる人……。アフガニスタンで国内避難民の子たちが描いた「幽霊」の絵を集めた「カブールの幽霊展」が京都市内で開かれている。
作品は、東京のNPO「ライクウォーター・プレス」(陳富子代表)が、05年、首都カブールの国内避難民キャンプで、「幽霊を見たことがある・」と尋ねて、5歳〜17歳に描いてもらった。

同国は79年の旧ソ連の侵攻後、タリバーンの権力掌握や米国の攻撃など約25年にわたって戦争や内乱が続き、多くの人が今も困難な生活を強いられている。避難民の子の多くが初めて絵を描いた。紙と色鉛筆を渡すと、地面にひざをつき、うれしそうに描いた。
兵士の幽霊を描いた12歳の少女は、絵のイメージを同NPOのメンバーに話した。
「風の強い夜、旗を持った兵士の幽霊が、私の前を通り過ぎて行った。歩いていく方向には、ほかにも数え切れない幽霊が同じように旗を掲げて歩いていた。死んでも正しく埋葬されなかった者たちだよと、後でおじいさんが教えてくれた」
自分たちを脅かす悲惨な戦争や死を描いたものが多いが、遊び友達としてのかわいい幽霊や鳥や犬や牛など明るくユーモラスな絵もある。
幽霊をキーワードにしたのは、NGO「セーブ・ザ・チルドレン」とユニセフがまとめた02年の報告書で、カブールの子どもたちが「最も怖い」「最も嫌だ」の1位に挙がっていたからだ。「爆撃と爆発」「食べ物がないこと」をもしのいでいた。陳代表は「悲惨な状況でも、子どもらは豊かな感性と想像力を持ってたくましく生きている。たくましさから力をもらってほしい」と話す。
2月4日まで中京区烏丸通り姉小路下ルの新風館3階ギャラリーで、同11日まで左京区粟田口鳥居町の市国際交流会館で展示している。
市国際交流会館では、7日と10日の午後6時、アフガニスタンの紅茶チャイを飲み、アフガニスタンや子どもたちについて語る茶会も催す。

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